手足口病とは

手足口病とは

手足口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスによる感染症で、38~39℃の発熱に伴い、手のひらや足、口の粘膜などを中心に5~7mmの小さな水疱(水ぶくれ)ができる病気です。主に5歳以下の乳幼児に多くみられます。夏に流行する「夏風邪」の一種で、幼稚園や保育園でもよくみられます。

手足口病の症状

ウイルスの潜伏期間は2~7日で、通常ウイルスに感染してから3~5日後くらいに症状が現れることが多いです。
「のどの痛み・発熱」から始まり、後から皮膚症状が出てきます。
これらの症状は、7~10日で自然に治るケースが一般的です。

・発熱

感染初期で発熱が現れることが一般的ですが、同じウイルスによるヘルパンギーナよりも手足口病のほうが熱はあまり出ず、38度未満のことが多いです。

・のどの痛み、口内炎

口腔内に水疱性発疹ができます。水疱が潰れると、口内炎ができるため口の中が痛みます。特に口の上の方(のどちんこの前)を中心に表れやすく、強い痛みを伴うことも多く、喉が痛くて食事や飲み物が摂りにくくなり、脱水症状を引き起こす恐れがありますので注意が必要です。

・皮膚の発疹

手足口病の最大の特徴が皮膚の発疹です。手のひらや足の裏を中心に水疱(水ぶくれ)を伴うような5~7mmくらいの発疹が現れます。発疹は腕、足(ひざ)、お尻、腹部、背中や頭の後ろの方にも広がることがあります。

手足口病の原因

手足口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどのエンテロウイルス科に属するウイルスによって引き起こされます。その年によって流行する型は異なります。
手足口病は、主に接触感染や飛沫感染によって広がります。
感染者のくしゃみや咳による飛沫を吸い込んだり、水疱や便に含まれるウイルスに触れた手で口や鼻を触れたりすることで感染します。
保育園や幼稚園などでは、遊具やおもちゃを介した感染が起こりやすいです。発症後も数週間にわたり便からウイルスが排出されるため、手洗いや消毒を徹底し、タオルの共用を避けるなどの対策が重要です。

手足口病の治療法

手足口病に有効な治療方法はありません。症状自体は発症して1週間程度で回復します。
基本的には経過観察で、症状に応じた治療となります。発熱がある場合は解熱剤、口の中の痛みが強い場合には鎮痛薬を使用することが一般的です。手足の水疱や発疹にかゆみや痛みが伴う場合は保湿クリームやかゆみ止めを使用することで症状を和らげることができます。

ご家庭での注意点

まれに髄膜炎や脳炎などの合併症が起こる場合があるため、経過観察をしっかりと行い、高熱が続いたり嘔吐、頭痛などの症状がみられた場合は、すぐに小児科を受診するようにしましょう。
口内の痛みで飲食が難しくなることがあるため、脱水を防ぐために水や麦茶、経口補水液などを少量ずつこまめに取るようにしましょう。
症状が消えてからも2~4週間くらいは唾液や便中にウイルスが含まれています。そのため症状が治まってからもタオルや食器などの共用やオムツ交換の際には注意が必要です。ウイルスに触れただけでは感染しないので、手洗いや消毒の徹底で感染を予防しましょう。