おたふく風邪
おたふく風邪
おたふくかぜは、ムンプスウイルスによって引き起こされます。主な感染経路は、ウイルスを含む飛沫を吸い込む飛沫感染と、ウイルスが付着した物に触れた後、口や鼻を触ることで感染する接触感染です。保育所や幼稚園、学校など、集団生活を送る子どもたちの間で容易に感染が広がります。潜伏期間は、感染してから症状が現れるまで約14~21日です。
おたふくかぜの最も特徴的な症状は、耳の下(耳下腺)が腫れることです。多くの場合、左右両方の耳下腺が腫れますが、片側だけ腫れる場合もあります。腫れ始めは、耳の下に軽い痛みや違和感を感じる程度ですが、徐々に腫れが大きくなり、痛みも強くなります。同時に、発熱(38℃~40℃程度)、頭痛、倦怠感、食欲不振などの症状が現れることもあります。腫れは通常1~3日でピークに達し、その後徐々に小さくなり、約1週間で治まります。発熱も3~4日で落ち着くことが多いです。ただし、個人差がありますので、必ずしも全ての症状が現れるわけではありません。
おたふくかぜの治療は、残念ながら特効薬がありません。そのため、主に症状を和らげる対症療法が中心となります。高熱や痛みを軽減するために、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を処方することがあります。腫れた部分には、冷湿布を当てたり、冷たいタオルで冷やすと、痛みが和らぎます。十分な水分補給も大切です。安静を保つことも、回復を早めるために重要です。おたふくかぜの予防にはワクチン接種が有効です。お子さんがつらい思いをしないよう接種がまだの方は予防接種を検討しましょう。
以下の症状がある場合は、すぐに小児科を受診してください。
おたふくかぜは、感染力が強いため回復まで1~2週間程度が目安となります。少なくとも発症から5日間は登園・登校を控えましょう。学校や保育園に医師の診断書を提出する必要がある場合はご相談ください。
耳下腺が腫れているため、酸っぱいものや硬いものは避け、柔らかく、食べやすいものを与えましょう(例:おかゆ、やわらかく煮たうどん、ヨーグルト、ゼリーなど)。
高熱や強い痛みがある場合は、入浴を避けましょう。
十分な睡眠と休息を確保しましょう。
こまめな水分補給を心がけましょう。